─仮面─偽りの微笑み
そんな2人を眺めていた劉兒が、暢に問い掛けた。
「なぁ?お前あいつらに…」
「ん?あぁ…スィートのキー?」
「スィート…まぁ解ってたけど…なんか複雑だな父親としては…」
「えっ?!劉兒が親になってるぅー!」
がっくりと肩を落とす劉兒に、ユウリは目を丸くした。
「お前ねぇ…俺だって娘は心配だし可愛いっての!」
クスクスと笑うユウリと暢に、劉兒は「ふんっ」とそっぽを向いてしまった。
「拗ねちゃった子供は置いといて…行きましょ暢さん」
会場へと戻るべく、ユウリは暢の腕を取った。
「な…こらっユウリ!離れろっ」
暢からユウリを引き剥がすと、自分の腕を差し出した。
「お前はこっち」
「はいはい」
「まったく…ガキだな劉兒も」
「…るせぇ」
ユウリはクスクス笑いながら、劉兒は苛つきながら、暢は呆れ顔で…会場へと戻っていった。