─仮面─偽りの微笑み
そのままベッドへと運び、繭璃を下ろしてやる。
そして、横たわる彼女に覆い被さった。
「ちゃんと俺を信じた繭璃にご褒美やるよ…」
耳元で甘く囁き、舌を這わすと「…ん?!」、ビクンと跳ねる従順な繭璃の身体。
「お前を手放さずに済むなら、誰かに恨まれたってかまわねぇんだよ…俺は…」
「…棗さん…ごめんなさい…わたし…」
「謝るのは俺だから…泣かしてごめん…」
ふるふると首を横に振る繭璃は、今にも泣き出してしまいそうな表情をしていた。
「こうやって触れたいのも…抱き締めたいのも…キスしたいのも全部お前だけにしか思わねぇ…だから安心しろ」
繭璃の頭を優しく撫でると、大きな瞳から涙が溢れた。
流れ出た涙を舐めとると、唇を啄み「愛している」と伝えた。