─仮面─偽りの微笑み

「ん…ふっ…」



深い口づけを交わしながら、棗は少しずつ繭璃のドレスを脱がしていく。



少しずつ露わになっていく、柔らかな白い肌に口づけては紅い印しを残す。



「……ぁ……ん…ふっ…ん…」



「一生手放してなんてやらね…」



棗は思わず呟くように口にした。



美しい肌に指先を滑らせ、舌と唇で愛撫を繰り返す。



「…ぁ…な…つめ…さ…もっ…だ…めぇ…」



棗の髪に指を差し入れた繭璃は、甘い吐息を吐き出しながら喘ぐ。



「欲しいか俺が?」



意地悪に口元をゆるませる棗に、「…欲しいよぉ…」と、繭璃は潤んだ瞳を向けた。



「ふっ…やるよ…ご褒美」



棗は繭璃の足の間に割入ると、ゆっくりと一つになった。
< 236 / 268 >

この作品をシェア

pagetop