─仮面─偽りの微笑み

「……あぁ…ぁ…ぁ…ん…はぁ…なつ…め…さん…すきっ…すきぃ」



「…っ…あぁ…俺もだよ…繭璃」



繰り返し押し寄せる快感の波に、呑み込まれてしまいそうだった。



繭璃の上げる嬌声、熱を帯びた身体から香る甘い香り、彼女の全てが棗を煽る。



「やあッ…も…イッ…あぁぁ…!」



「…くっ……!」



幾度となく向かえた絶頂は、容赦なく繭璃の体力を奪っていった。



同時に果てた時、繭璃は意識を飛ばしその身をベッドへと沈めた。



意識を失わせる程に欲しがったなんて…そんな自分に自嘲しながら汗で張り付いた髪をよけてやった。



汗ばむ額に軽く口づけると、棗は繭璃を強く抱き締めた。



もう悲しませたりしない…泣かせたりしない…そして一生放さない!



狂おしい程に愛おしい彼女を胸に抱き、そう心に誓った。
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