─仮面─偽りの微笑み
唇から指を離すと、誘われるがまま自分の唇を寄せた。
「ん…好き…棗さんが…ふっ…ん…」
一生懸命にちゅっ、ちゅっと唇を啄む繭璃。
「…っ…くそっ…ダメだ」
身体を反転させ体勢を変える。
「ひゃっ!」
上にいたはずの自分が棗に見下ろされている…。
繭璃は驚きで、目をぱちくりとさせ固まっていた。
「マジでやべぇってお前…」
「棗さ…ん…んっ…あ…やッ…」
「欲しいって言えよ…繭璃」
優しく愛撫しながら見つめれば、潤んだ瞳をうっすらと開け、「…欲し…っ」と甘い吐息混じりに答える。
繭璃が伸ばした指先を絡め取り、ぎゅっと握り締めて腰を沈めた。
「はぁ…やべ…良すぎ」
「あ…あ……や…ッ…ん…ん」
激しい口づけを交わしながら昇りつめる2人。