─仮面─偽りの微笑み
◆安らげる場所
まるで、子供のケンカのような言い争いを続ける2人。
「あーやだやだ…ほーんとガキなんだからっ」
「けっ、ガキで結構だね!」
ふんっとそっぽを向く2人に、呆れてため息を吐き出すユウリ。
「ユウリちゃんも大変よねー大きな子供抱えてっ!」
「な、てめーばばぁ…だれが子供だよ」
「あんただよ!!」
「なんだとー!!」
ぐいっと劉兒が麗子に近づいた時だった。
「おい!…いい加減にしろよ…用が無いなら俺達は帰るぜ」
そう言って棗はすっと立ち上がった。
「「えっ?!」」
劉兒の頭を小突いて麗子は、「待ちなさい!」と慌てて棗を止めた。
「…くそっ…いてぇな…」
「自業自得じゃなーい?」
妻ユウリに冷たくあしらわれ、がっくりと肩を落とした劉兒だった。