─仮面─偽りの微笑み
頭を下げ、小さく震える繭璃。
沈黙が怖い。
見なくてもわかる、何も言わずじっと自分を見つめる麗子の視線。
繭璃は怯えていた。
どうしよう…私…気に入られ無かったのかな…?
じんわりと目頭が熱くなるのを感じる。
そんな繭璃に、棗が手を差し伸べようとした時だった。
「いや~ん、可愛いわぁこの娘♪」
「「えっ?」」
棗と繭璃が、麗子へと顔を向けると、瞳を輝かせ繭璃を見つめていた。
「棗、気を付けろよ…ばばぁに気に入られたら厄介だぞ」
くっくっと喉を鳴らした劉兒が、麗子の後方から近寄ってくる。
繭璃の隣に移動した麗子が、繭璃をソファーに座らせ、自分も同じく腰を下ろした。
「お人形のようだわ…劉兒も棗もほんと見る目あるわねぇ…あぁ可愛いー!!」
麗子にむぎゅむぎゅと抱きしめられた繭璃は、突然の出来事にただ驚くばかりだった。