─仮面─偽りの微笑み
「コイツは俺のモノだからダメ!!」
抱き締められジタバタする繭璃を、自分の腕に引き寄せた棗は麗子をギロリと睨みつけた。
「おー恐っ…誰かさんに良く似てるわ!何さケチ!」
ふんっと、子供のようにそっぽを向く麗子。
「だから言っただろ?」
な?ユウリ…と愛しい妻に囁く劉兒。
「あら…ユウリはいつも結構楽しんでるわよ?」
ねぇ?と、妖しく微笑む麗子に、ユウリはふふっと意味深に笑ってみせた。
「な、なんだよ2人して?!」
「別に…劉兒を苛めるのが楽しいなんて言ってないわ」
「そうよ…ヤキモキするあんたを見るのが楽しみ!なんて思ってないわ」
ねぇ♪と顔を見合わせる2人に、劉兒はははっと苦笑した。
「なんか…だんだん似てきたな…」
小さく呟いた劉兒は、深いため息を吐いたのだった。