─仮面─偽りの微笑み

「今の親父の気持ちが分かるような気がする…」



ため息を吐き出した劉兒を眺めて、棗は1人呟いた。



「あの…棗さん?」



棗の腕の中で小さくなっていた繭璃が、おずおずと顔を上げる。



「ん…あぁわりっ、力入れ過ぎたか?」



「あ、いえ…大丈夫です…あの…///」



繭璃はみんなの前で、堂々と"自分のモノだ"と言われた事が嬉しかった。



「どうした?」



優しく頭を撫でた棗 は、繭璃の顔を覗き込んだ。



「あの…わたし、さっきの言葉が…嬉しくて…」



「さっきの言葉?」



「はい…"俺のモノだ"って…//」



真っ赤な顔で、恥ずかしそうに俯く繭璃が愛しい…。



心の底から湧き上がる感情が、棗の心を支配し繭璃への愛しさは増すばかりだった。
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