─仮面─偽りの微笑み

ユウリの気持ちを察した劉兒は、"俺がいるだろ?"と囁き耳元に口付けた。



ふわりと抱かれた肩に、その優しさを感じた。



「…ン…劉兒…」



「子供ってぇのはいずれ離れていくものだ…」



「うん…」



「ま、俺は離れないから安心しろ」



「…なんか…複雑…」



微妙な表情で劉兒を見上げるユウリ。



「おいおい、そこは喜ぶとこだろ!」



「冗談よ♪いつも傍にいてくれてありがとう…あなた」



ふふっと、愛らしい笑顔を自分に向けたユウリを、劉兒は抱き寄せた。



「俺達はこの先もずっと一緒だ…愛してるユウリ」



「私も愛してる」



見つめ合う2人の唇が、重なろうとした瞬間…。



「ちょっと!!あたし達の存在忘れてない?!」



怒りを含んだ麗子の声に、はぁーっと2人してため息を吐いた。
< 251 / 268 >

この作品をシェア

pagetop