─仮面─偽りの微笑み
その日の夜、俺は久々に親父と顔を合わせた。
「なんだ棗じゃねーかお前なんで居るんだ?」
「居ちゃ悪いんですか?」
俺は別の場所に一人で暮らしている。
気ままな坊ちゃんやらせて貰ってるワケで、親父には感謝しているんだが…。
「悪いとはいってねーけど…相変わらず生意気な奴だなお前」
「お陰様であなたに似ましてね…あぁそうそう僕も見つけましたよ」
眉間に皺を寄せた親父が俺に言う。
「何をだ?」
「父さんと同じモノですよ…」
くいっと口角をあげた親父は「そうか」と俺に目をやる。