─仮面─偽りの微笑み

「ん…今…何時?」



「もうお昼だよ、お寝坊さん?…ってヤりすぎたせいか」



ははっと棗は笑う。



「ヤりすぎって…///確かに腰が…なんて言ってる場合じゃないです!学校行かなきゃー」



慌てる繭璃の隣でクスクス笑う棗に、繭璃は怒る。



「棗さん!何笑ってるんですか?!」



「今日は祝日だろ…学校休みじゃね?」



「…あ…」



動きを止め、ポカーンと口を開けた繭璃は、はっとして顔を両手で覆う。



「やーん!私のバカバカっ、もー!……ん…?」



恥ずかしいと思いながらも、ふと感じた違和感。



繭璃は顔を覆っていた手を離し、そっとその指に目をやった。



「……っ…」



繭璃はそれを目にした瞬間、涙が自然と溢れ出していた。
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