─仮面─偽りの微笑み
「ふえっ…」
左手の薬指にキラリと輝くリング…小さなダイヤが幾つか散りばめられている。
「ま、とりあえず…俺のモノって証しに」
涙でぼやけた繭璃の視界の中、微笑んだ棗が繭璃の手をとり口づけていた。
「シンプルすぎたかな?」
繭璃の指にはまるリングを撫でた棗が苦笑する。
「…とっても素敵…嬉しいです」
ふるふると首を振ると、繭璃はキラキラと輝く指輪を眺めた。
「可愛いヤツ…」
くすっと笑った棗が、繭璃を抱き寄せ頬に口付ける。
恥ずかしげに微笑む繭璃が、より一層愛しく感じた。
「この先何があってもお前を手放すことはない…だから安心して俺の傍にいろよ繭璃」
「はい…ずっと傍にいます」