─仮面─偽りの微笑み
*プレゼントは…
「はぁーっ」
「…ん?」
深い溜め息を吐き出した繭璃を、美麗は不思議そうに見つめた。
「美麗ちゃん…」
「なに?お兄ちゃんとケンカでもした?」
ふるふると首を横に振り、繭璃はまた溜め息を吐き出した。
「じゃなんで溜め息?」
「もうすぐクリスマスなのに、プレゼントが決まらないんだもん!うわーん」
机に突っ伏した繭璃に、美麗はニヤリと悪戯に微笑み囁きかけた。
「…あのね…」
―――…
――…
「…棗さん本当に喜んでくれるのかな?」
クリスマスイブの夜、繭璃は棗の部屋でそわそわと落ち着かないでいた。
不安げな繭璃は、"ふぅっ"と小さく息を吐き出す。
『お兄ちゃんは絶対に喜ぶから!』
「美麗ちゃんはああ言ってたけど…大丈夫かな…」
「何が大丈夫なんだ?」
窓辺に佇む繭璃は、不意に後ろから抱きしめられ、びくっと身体を揺らした。