─仮面─偽りの微笑み

美麗は、ニヤリと笑った自分に気付いた。


あたしもやっぱりパパ似?!



これじゃ兄とかわらないじゃないかと、落胆した美麗。



笑顔から突然、肩を落としうなだれた美麗に、繭璃は驚き顔を覗き込んだ。



「みっ美麗ちゃん?どうしちゃったの?!」



「何でもない…でっ繭璃はどうしたいのよ」



ぱっと顔を上げた美麗に、繭璃は少し躊躇いがちに答えた。



「わたしっ…棗さんに…会いたい…会いたいよ美麗ちゃん」



初めてだった、引っ込み思案で恥ずかしがり屋の繭璃が、自分の思いを表にだしたのは。
< 32 / 268 >

この作品をシェア

pagetop