─仮面─偽りの微笑み
美麗は、ニヤリと笑った自分に気付いた。
あたしもやっぱりパパ似?!
これじゃ兄とかわらないじゃないかと、落胆した美麗。
笑顔から突然、肩を落としうなだれた美麗に、繭璃は驚き顔を覗き込んだ。
「みっ美麗ちゃん?どうしちゃったの?!」
「何でもない…でっ繭璃はどうしたいのよ」
ぱっと顔を上げた美麗に、繭璃は少し躊躇いがちに答えた。
「わたしっ…棗さんに…会いたい…会いたいよ美麗ちゃん」
初めてだった、引っ込み思案で恥ずかしがり屋の繭璃が、自分の思いを表にだしたのは。