─仮面─偽りの微笑み
「本当に行くの?今いったら確実に目立つわよ…それでもいいの?」
コクリと頷くと、「大丈夫」と相変わらず潤んだままの瞳を人だかりに向けた。
「棗さん…」
繭璃は小さく呟き胸に手を当てた。
「緊張してんのあんた?」
「うん…ドキドキしてる…壊れちゃいそうなくらいなの///」
ふふっと笑ったその顔が、本当に嬉しそうで美麗もつられて微笑んだ。
───…
──…
美麗と繭璃は人だかりのそばまで来ていた。
「なんか凄いね…」
「うっ…うん」
やっぱりやめようか…繭璃が引き返そうとした時だった。