─仮面─偽りの微笑み
俺はにっこりと微笑んで言った。
「母さんを悲しませたくないだろ?」
「ひっ…天使の皮を被った悪魔…その笑い方パパそっくりだから」
「何とでも言え…あの美しい顔が悲しみで歪む所なんて見たくないからな」
「あたしだってママは悲しませたくないわよ…でも本性隠して生活するなんて疲れないの?」
「慣れたさ…母さんは俺がいい子ちゃんだって信じてんだ…期待にこたえてあげないとダメだろ?」
母さんは俺が笑うと『天使の微笑みね』そう言って、何時も嬉しそうに抱き締めてくれた。
全てを隠そう…この"天使の微笑み"と言う名の仮面で…
にっこり笑うだけで皆が俺に靡く。
使わない手は無いと思わないかい?