─仮面─偽りの微笑み

修一と美麗が座ったのは仕切りのある席。



しかも一番端。



「美麗ちゃんは頭いいから教える事なんてないんだけど…」



本を幾つか持って席についた修一は、そう言いながら美麗を引き寄せる。



そして囁いた。



「違うお勉強しよっか…」



「んっ…」



美麗はぶるっと身体を震わせた。



「あぁ…可愛い…俺だけが知ってる美麗ちゃんが知りたいんだ」



「修一さんだけが…知ってるあたし?」



ちゅっと耳元に口づけると、「そう…俺だけが」と微笑む。
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