─仮面─偽りの微笑み
◇恋する乙女達
次の日…繭璃と美麗は昨日の事で注目の的だった。
2人は騒ぎから逃れ、学校の中庭にたどり着いた。
「疲れるなぁもう…それより昨日あれからお兄ちゃんに何処に連れて行かれたの?酷いことされなかった?」
美麗が繭璃にそう聞くと、頬を紅く染めて答える。
「なっ…棗さんのお部屋…」
「えっ…部屋?あたしも入った事ないよ?!ふーんそうなんだ」
ニヤニヤ笑う美麗に、へへっと笑うと繭璃は言った。
「ごめんね美麗ちゃん…」
「何が?」
「棗さんの事を好きになっちゃって…」
「何言っちゃってんのよ!あたしはお兄ちゃんに捕まっちゃったあんたの方が心配なのっ!!」