─仮面─偽りの微笑み

その日は朝から雨で気分が乗らない俺がいた。



珍しく何処にも出掛けなかった俺は、日頃の夜遊びが原因で、寝不足気味の身体を休めるべく泥のように眠っていた。



バタンとドアの閉まる音が聞こえる…



美麗か?母さんは親父と一緒だろうし。



喉が渇いているのに気付いた俺は、重い身体を起こしキッチンへと向かった。



キッチンには誰もおらず静かなものだった。



冷蔵庫から、ミネラルウォーターのペットボトルを取り出し一口飲むと、残りを片手に俺は自室へと戻った。



その途中、後ろからバタンと扉が閉まる音がして、俺はふと振り返った。
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