─仮面─偽りの微笑み

「お前はただ選ぶだけでいいからな」



「えっ!でもっ…」



ちょっと困ったような表情で、棗を見上げる繭璃の頭をポンと撫でた。



「素直に甘えとけ」



「はい…///」



ふっと笑った棗に、繭璃は痛いくらい胸をキュンとさせた。



(やっぱり棗さんは素敵です♪)



指を絡ませ握られた手が嬉しくて、口元が緩む。



「うふふっ♪」



「何だか嬉しそうだな?」



「嬉しそうじゃなくて、嬉しいんです!私…好きな人とこんな風に手を繋いだり、ショッピングしたりするの夢だったから♪」



そう言って、本当に嬉しそうに繭璃は笑う。
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