─仮面─偽りの微笑み
「ちょっと早いけどお弁当食べちゃう?」
シートに座って、キラキラの笑顔をあたしに向ける修一さんに、胸がきゅんと締め付けられる。
何でこの人は、こんなにもあたしを夢中にさせるんだろう。
キラキラの笑顔にやられ、「うん」と大きく頷いたあたし。
「うっわ…スゲー俺ってば幸せ♪」
目の前に並べた容器を開けて、修一は笑顔でそう言った。
あたしだってやれば出来るんだから!…ママと一緒にだけど。
「エヘヘ…」
と笑うあたしの頭を、軽くポンポンと撫でると、「ありがとな」と微笑んでくれた。
その笑顔、反則…あたしキュン死しちゃうよ!
あたしの胸は痛い位に締め付けられていた。
「どうした?」
「へっ?やっ…何でもない、それよりどうぞ」
何でもないふりして、あたしは取り皿とお箸を、修一さんに手渡した。