─仮面─偽りの微笑み
「ありがと♪」
キラキラの笑顔のまま、「どれからたべようかなぁ?」とお弁当を物色する修一。
そんな修一をうっとりと眺める美麗。
「…うまっ!!って…美麗ちゃん?おーい」
″はっ″と我に返ると、あたしの目の前で手を上下させ、不思議そうな顔をした修一さんがいた。
「ふぇっ…!あっあのっ、ごめんなさいっ」
「ぷっ…何謝ってんの?そんな色っぽい顔して見ないでよ…我慢出来なくなるから♪」
って、何故だか嬉しそうに言う修一さん。
「美麗ちゃんも食べなよ、って俺が作った訳でもないのにな」
ハハッと苦笑してから、またお弁当に手を伸ばした。
あたしは、ママに手伝ってもらった事実を伝えなかった…その罪悪感から、何ともいえない表情のままだった。