─仮面─偽りの微笑み
―――…
――…
「はぁーっ、お腹一杯!美味しかったよ♪ありがとう美麗ちゃん」
「あっ…うん…」
伏し目がちに答え、容器を片付けていく。
「でっ、美麗ちゃんはなにが悲しくてそんな表情してるのかなぁ?」
「へっ?!あたしは別に…何も…きゃっ!」
言い終わらないうちに引き寄せられたあたしは、次の瞬間には彼の胸に閉じ込められていた。
爽やかなコロンの香りに包まれる、ぎゅっと抱き締められ体温が上がっていく。
「ちゃんと言って?何が原因か…」
頭の上から優しく問う声がする。
「だっ、だから何でも…」
「ふーん…言わないつもりなんだ?じゃっ、ここでデザートたべちゃおうかな♪」
デザートならさっき食べたよね?何…?
くすりと悪戯に微笑った修一が囁いた。