─仮面─偽りの微笑み

涙目でそう訴える美麗に、修一は慌てて弁解した。



「わぁっ、違う違う!!早く2人っきりになりたいだけだからっ」



「そ、うなの?」



よしよしと、頭を撫でながら「続きをしてあげるよ」と、妖しく微笑んだ。



本当は修一が我慢出来なかっただけ、あのままだと最後までしてしまいそうな勢いだったから。



ギリギリの理性をなんとか保っていた。



余裕のない自分が情けなくて、苦笑いしながら美麗の手をとった。



「行こう」



「うん…」



美麗は熱くなった頬を片手で押さえ、恥ずかしそうに笑う。



修一さんはどこに行くつもりなんだろう?



チラッと隣を歩く彼に目をやると、にっこり微笑んで「俺んちね♪」そう言った 。



あたしの考えてる事なんて、この人にはお見通しらしい。



彼と過ごす甘い甘い時間は、あたしにとっても最高のデザート。



初めての彼の部屋に、ドキドキしながらあたしはぎゅっと大きな手を握った。

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