─仮面─偽りの微笑み
◆キミを思えば
「繭璃?」
「んーなぁに?美麗ちゃん!」
中庭でポカポカ陽気の下、ほんわかしながら繭璃が答える。
「あんたはお兄ちゃんと…どこまでいった?」
「どこ?」
人差し指を唇に押し当て、うーん…と唸ると「棗さんのお部屋」と言って、にぱっと笑う。
「いや、そうじゃなくて…」
「あっ違った?じゃあデパートかなぁ♪」
と、呑気に答える繭璃に、美麗はため息を吐き出した。
「はぁーっ、そうだよね、あんたはそうゆう子だわよね」
「あたしが悪かった」そう言った美麗は、繭璃にそっと耳打ちした。
"お兄ちゃんとエッチした?"
「…………?!」
くりくりの瞳をぱちくりとさせ、驚いた表情で美麗をみた繭璃は、あっとゆう間に真っ赤になってしまった。