─仮面─偽りの微笑み

「みみ、美麗ちゃんっ!…やだぁ///」



「やだぁ…じゃなくて、あたしは真面目に聞いてんの!」



「み、美麗ちゃん…コワい」



真剣な面もちで、ずいっと顔を近づけた美麗に、繭璃は思わず後ずさった。



美麗が繭璃に、そんな質問をしたのには訳があった。



昨日の公園デートの後、修一に連れられ美麗は彼の部屋に行っていた。



棗と同様、修一も一人暮らしである。



初めて入る彼の部屋に、美麗は心躍らせた。



「おじゃま…しま…す…?」



「どうぞ、ってどうかした?」



「あ…ううん、なんか緊張しちゃって」



ははっと乾いた笑いで誤魔化した。



あの後…いい雰囲気になったが、そんな気になれなかった美麗は「疲れちゃった」と嘘をつき、自宅に帰っていた。

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