ほらね。【完】
「ぁぁ…」
円佳は瞬にすがりつく。
俺は涙が出ないよう、唇を血が出るほど強く噛みしめた。
「瞬ーーーーーっっ!!!!!!!」
円佳が大きい声で瞬を呼ぶ。
「瞬っ!やだぁぁああ!!!死なないでぇ!!」
円佳の泣き崩れる声が聞こえる。
俺はそっと目を逸らした。
見ていられなかった。
その残酷な光景を――…
「瞬!!やだよぉおお!!どうしてっ!!」
円佳が必死に瞬に声をかける。
いつもだったら…、いつもだったら…笑顔で返事を返す癖に…っ。
あの笑顔は…どこに行ったんだよ!!
あんなに…っ幸せそうな笑顔だったのに…っ!
瞬の顔は眠ってるみたいだった。
俺はおじさんに聞いた。
「瞬は…本当にもうダメなんですかっ?」
泣いちゃいけない。
強くいなきゃいけない。
そう思っていたが、俺の頬には次から次へと涙が零れ落ちた。
だって、こんなの…。
不意打ちだし、残酷すぎんだろ…っ!!
「もう…今晩が限界みたいだっ」
めったに泣かないおじさんまでもが、涙を流した。
「そんな…」
こんなのアリかよ?
生きろよ!!
生きろよ…っ!!
「瞬っ!!!」
――――――――……