ほらね。【完】
キミが好きなアイツ
―瞬のお葬式―…
「瞬…瞬…」
俺の横で、哀しくも愛おしく瞬の名前を呼ぶ円佳。
俺はそんな円佳をただただ見ているしか出来なかった。
そう、まるで十年前のあの時みたいに…。
―ピーーー―…
大きなクラクションが町中に響き渡る。
瞬が本当に俺らから離れてしまう。
「瞬…っ瞬~…」
泣き崩れてしまった円佳。
そんな円佳を見て俺は思う。
ほらね。
俺にしときゃよかったじゃん。
まだ間に合ってたのに。
ほらね――……