ほらね。【完】



俺(恭平)とキミ(円佳)とアイツ(瞬)


幼なじみ。



小さい頃からずっと一緒に遊んでいる。



小さい頃からずっと俺はキミだけで、キミはアイツだけだった。



―昔―…


「瞬ー!恭平ー!はやくぅー!」


顔を泥まみれにして、円佳が俺と瞬の名前を呼ぶ。
名前を呼ぶ時だって、いつもキミはアイツが先。

「えー?なに?」

円佳に手招きされて、行ってみると地面に大きな穴が開いていた。

「なにこれー」

「まどちゃんがやったの?」

「そう!ねぇ、今度タカラモノ持ってきて!!」

「えー、どうして?」

「ココに埋めるから!!」

「「えー」」

俺と瞬は声をそろえて、嫌がった。
だけど、俺も瞬も円佳がスキだから、タカラモノごとき、すぐに持ってきた。

「瞬のタカラモノなーに?」

「僕は三人で撮った写真」

そう言って、瞬は円佳と俺にある日撮った写真をみせた。

「恭平は?」

「俺はカード」

俺は瞬と違って、戦い用のカードだった。
すると円佳は

「そんなのがタカラモノー?」

と言って、自分のタカラモノを見せた。

「私はあの日三人で見つけたクローバー!!」

円佳の小さな手には、小さなクローバーが置かれていた。

そして、俺らは小さな空き箱に、タカラモノを入れた。

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