ほらね。【完】


「瞬だけ…っ…うぅ…」

写真を大切そうに優しくぎゅうっと握る円佳。
写真に円佳の涙がポタポタと落ちる。

「瞬……ありがと…」

そこにはちゃんと残っていた。
それは偽りのない笑顔で、無邪気に笑う俺ら。

ちゃんと、瞬がこの世にいた証。
瞬が俺らの最も大切な幼なじみだという証。

俺は円佳に言った。


「ほらな。俺を好きになってたら良かったのに」

「ううん。私はちゃんと瞬に恋して…最後まで幸せだった…」

涙を流しながらも、ちゃんと前を見ている円佳は、
俺が今まで見た中で一番綺麗だった。

俺はバカだから、この想い出を見てわかった。


それは――…


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