ほらね。【完】
「これどうするの?」
「この大きな穴に入れて埋めて、十年後に掘り返すの!」
キラキラな瞳で、円佳は言った。
その円佳の瞳を見て、俺も瞬も楽しみになった。
「よいっしょっと!こんなもんでいいんじゃない?」
一通り、埋め終わると円佳は手をはらった。
「あーとーはー、木の棒探してきて!」
「えー」
面倒くさがる俺と反対に、瞬はすぐに「わかったー」と言うと、木の棒を探しに行った。
それを見て、俺は急いで探しに出る。
「こんなのでいいー?」
すると、瞬はかなり大きな木の棒を持ってきた。
「うん!瞬ありがとう!」
円佳は満足そうに、満面の笑みで、瞬に抱きつく。
瞬は少し照れくさそうに笑う。
俺はそれをただ見る事しか出来なくて、胸がぎゅーっと締め付けられる。
「これをね、ここに刺すの!そしたら場所、覚えてられるでしょ?」
「なるほどー」