One-Diamond †王子様がプロデュース†

多分日向も知らない。

あたしがモデル目指すようになった理由。

勿論椎名未来に近づきたかったんだけど

そう思うようになったのは

結構いろいろあってのことだ。


「将来の夢が出来たの」

「どんな?」

「秘密」

屋上に着いて、ノートを置いて俯せになって写した。

「お前ってさ、なんか大事なこと隠してるっしょ?」

「べーつーにっ」

笑ってごまかしながら。

なんだかやり切れない気持ちになる。

澪汰になら教えてもいいかな?

って、いつも考える。

でもそれをストップさせるのは

あたしがブスだっていう事実。

「桐谷、とりあえず自分に自信持てよ」

「持てないよ、どんなに自信持っとうとしてもあたし、ブスだもん」

「誰か言われたの?」

「うん」

そう。あたしは、ブスだから、嫌われたの。

「俺がそいつぶっ飛ばしてやるよ」

澪汰は不敵に笑う。

でも、あたしは足がすくんで

どこか寂しい気持ちになった。

「アハハ」

笑いでごまかすのは、あたしのくせ。

「何笑ってんの〜」

「澪汰、優しいな〜と思って」

「だろ?」

「澪汰だったらよかった」

好きになったのが、澪汰だったらよかった。

あたしは、小さく、呟いた。












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