One-Diamond †王子様がプロデュース†
「怜毅(レイキ)〜っ、こっちこっち〜」
凛の声のする方を見る。
「え、凛?」
中卒でデザイナー学校に入った凛は、いつも派手なドレスで、夜の街に来ても目立つ奴だった。
なのに、今はその面影が少しもない。
というか、女かどうかもよく分からない格好。
「今はそのスタイルが流行ってんの?デザイナーさん」
長い髪をキャップに隠してて、男もののぶかぶか正装スーツ。
組み合わせもおかしいし
多分よく見ないと女だって分からない。
「アハハハ、流行る訳ないじゃん」
「じゃあ、お前いつから男になったの?」
「なんかさ〜、うちの学校寮生じゃん。それで夜の外出とかは禁止なんだけど、出歩いてたのがバレて」
「は?寮生だったの」
「そうそう。それで、先公の奴があたしを見ると警戒するから、男の変装で脱出することにして、でさぁ〜、変装道具男部屋から盗んで来たんだけど、慌ててたからこれしかなくてさ」
「お前、やめとけよ。せっかく入る学校決まったのに」
「大丈夫大丈夫、ばれないよ、もろ男じゃん」
「ってか頭おかしいと思われるだろ」