ホントの自分

「あのさぁ・・俺。優芽とキスしたい。」




この言葉を最後に何分経っただろう。

私は放心状態で答えられずにいた。


「優芽?聞いてる?」

この一言で私は我に返った。

「あっう・・・うん。」

「していい?」


「・・・んッ」

私の答えを待たずに航太は自分の唇で

私の唇を強引に塞いだ。

「んッう・・・んッ」

なんかいつもの航太じゃない。

怖い。航太が怖い。

「こ・・・航太ッ。やッ」

長く繋がった唇が熱を帯びたまま離れた。

「ごめん。苦しかった?」

一応考えてくれてたんだ。

航太ともう1回キスしたい。

「航太・・・。もっかいキスして☆」

「俺も同じこと思ってた。」




「んッ・・んッ」

初めてのディープキス。

私の唇と航太の唇があたるたびに

航太のことをどんどん好きになっていく。

航太とならヤれる。

「はぁはぁはぁ。」

唇が離れる。

唇が離れると航太が遠くへ行ってしまう気がする。

ひとつになりたい。


< 7 / 10 >

この作品をシェア

pagetop