─恋々物語─〔1P短編集〕
バイバイ─さよならの向こう側─
だいすきなあの人に
さよならを告げた
“これでバイバイね”
最後くらい、とかっこつけ
涙は一度も見せなかった
うざったくなるくらい
快晴な空に向かって
おもいっきり笑ってやった
今さらになって
涙が溢れてきたけれど
すぐにぬぐってまた上を向く
この気持ちはどこに
持ってけばいいのかな
どこで吐き出せばいいのかな
一番に聞いてほしい貴方は
もういない
一番に支えてほしかった貴方は
もういないから
あたしたちの間にあった
“さよなら”のほんとの意味
あたしはちゃんと
知らないの
もっとちゃんと
話し合えばよかった
もっとちゃんと信じれば
よかった
あたしは知っていたはずなのに
そんな人なんかじゃないって
知ってたはずなのに
どうして何も聞かなかったのかな
ごめんね
こんなあたしでごめんね
それと ありがと
こんなあたしを好きだと
言ってくれて
全部全部
何もかもが今さら
ありがとうもごめんねも
言いたいことも言えずに
さよなら
貴方は少し涙ぐんで
ごめんと言ってくれたのに
空に向かってつぶやいてみた
あの人に言えなかったこと全部
返事はやっぱり
聞こえなかったけど
この空の青さが
答えな気がした
どこからか 子供たちの
笑い声が聞こえてきて
目の前を フランスパンを抱えた
おばちゃんが通りすぎた
笑いながら「おかえり」と
手をふってくれた
周りをゆっくり見渡すと
どこもみんな 変わってなくて
昨日と変わらず みんな笑顔で
なんだか少し ほっとした
何にかは
わかんないけど
Dear 明日のあたし
明日のあたしは
心から笑ってますか.
今日より少し
素直になれてますか.
この広い空の下
今日もあたしは
幸せ探し
明日を生きる強さ 元気
人はそれを探し続け
無くせば また 探す旅に出る
笑って
笑って
明日も精一杯
生きてやろうじゃん