─恋々物語─〔1P短編集〕

大好き─だけど、大嫌い─




好きになった

それに気づいたとき
なんだかすごく
嬉しかったの


大好きになった

一人で考えてらんなくなって
友達に言っちゃったの



伝えたくなった

だめだって
わかってるのに



優しくされて
名前を呼ばれて
心配されて
いっぱい話して。



あたし、知ってるんだ


 彼女 いますよね




苦しくて
切なくて

悲しくなって
泣きたくなった


それでも止めらんなくて
何度も会いに行った


笑顔を見ると
少しだけ忘れられたの




『彼氏とかいないの?』


「いませんよー。」


『えー?いそうなのに。』


「なに言ってるんですか〜」



( かるく、言わないで。 )




『好きな人は?』


「いません。」


( うそですよ。
 目の前にいます。 )




大好きなんです
ずっと見てたいんです

今よりもっと
喋りたいし
もっともっと
電話もしたいです




 ( 彼女 )

って
優しいですか?

あたしなんかより
かわいくて
大人ですよね



こんなこと聞くのも
また子供っぽいって
思われちゃうかもだけど



ね、どうしてそんな
優しくするんですか?




 その優しさが
 大嫌いで 大好きで。



< 26 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop