─恋々物語─〔1P短編集〕
大好き─だけど、大嫌い─
好きになった
それに気づいたとき
なんだかすごく
嬉しかったの
大好きになった
一人で考えてらんなくなって
友達に言っちゃったの
伝えたくなった
だめだって
わかってるのに
優しくされて
名前を呼ばれて
心配されて
いっぱい話して。
あたし、知ってるんだ
彼女 いますよね
苦しくて
切なくて
悲しくなって
泣きたくなった
それでも止めらんなくて
何度も会いに行った
笑顔を見ると
少しだけ忘れられたの
『彼氏とかいないの?』
「いませんよー。」
『えー?いそうなのに。』
「なに言ってるんですか〜」
( かるく、言わないで。 )
『好きな人は?』
「いません。」
( うそですよ。
目の前にいます。 )
大好きなんです
ずっと見てたいんです
今よりもっと
喋りたいし
もっともっと
電話もしたいです
( 彼女 )
って
優しいですか?
あたしなんかより
かわいくて
大人ですよね
こんなこと聞くのも
また子供っぽいって
思われちゃうかもだけど
ね、どうしてそんな
優しくするんですか?
その優しさが
大嫌いで 大好きで。