─恋々物語─〔1P短編集〕
dog─優しい君へ─
君は笑うから
つらいときはいつも
さみしくなるんだ
側に僕がいるのに
優しい笑顔も
温かな手のひらも
消えぬようにと
何度も願う
泣かないでおくれ
心の中でなんかで
つらいときは
笑みは捨てていいんだ
僕が背負うから
その暗い過去も
周りを思う君が
周りを背負う君が
いつか壊れそうで
少し怖くなる
そんなに頑張んないでよ
僕に頼ってきてよ
口に出した声は
君には届かない
ねぇかみさま
聞こえますか、僕の声が
みんな同じ
生き物だと言うのなら
なぜ言葉を違くしたの
僕の声は ほんとの声は
あの人に届かない
ありがとうの言葉も
ごめんねの言葉も
だいすきの言葉も
君はわからないんだ
だからこそ僕は
いつも側にいるよ
どんなことがあっても
元気におかえりって言うよ
たとえその日
偽りの笑顔を張り付けて
君が帰ってきても
僕はずっと待ってるから
君が君らしく笑える
ようになるその日まで
君は優しいから
いつも笑ってるんでしょ?
僕から見えないとこでも
きっと笑ってるんでしょ?
たまには泣いてみたら?
きっと楽になるよ
笑ってばかりじゃ
疲れるだけだから
泣いて泣いて泣いて
つらいこととか全部
絞り出しちゃってさ
空っぽにしちゃいなよ
優しすぎるんだよ
君のその全てが
つらくなるんだよ
その優しさに触れるたび
だいすきだからこそ
思うことがあるの
ずっと側にいさせて。
それ以上は 望まないから