─恋々物語─〔1P短編集〕
初雪─小さな願い─
真っ白な雪が降った
道路一面に広がる雪のじゅうたん
あの人を考えながら
地面にハートのマークをかく
初雪。
立ち上がって夜空を見上げ
両手を広げて呟いてみた
「 真っ白だ 」
いつも見ている景色が
違う世界に見えた
あたしはここに1人だけど
あの人は隣に誰か、あたしの
知らない人がいるんだろうなぁ
なんて考えたら
ちょっと切なくなって。
例えば今日みたいな
初雪が降った日
一番に知らせたい人に
なんのためらいもなく
伝えることが出来る
例えばこないだみたいな
大きい地震があった日
一番に会いたい人から
一番にメールがくる
例えば大好きな人に
大好きだよと
伝えることが出来て
毎日メールがきて
おはようからはじまり
おやすみで終わる
あたしは
大きな幸せは
望んでいない
小さくていい。
平凡でいい。
お願い、神様
頑張るから..
一生懸命、頑張るから。
あたしの願い
叶えてください