刑事の秘めごと~仮面編~
「…枝真だけのせいじゃない。これは俺達全員の責任だよ。今はいち早く事件を解決する事だけを考えるんだ」
仕事モードではなくて、いつもの優しい笑みを浮かべたリーダーがあたしの頭を優しく撫でた。
「…すんません…。もう大丈夫…」
安心させるようにあたしが笑うと、リーダーも笑顔を返してくれた。
リーダーの言う通りだ。今のあたしに出来る事をやらないとな。
「…おい」
―ガシッ
「ぐえっ!?」
捜査に戻ろうとした瞬間、襟を思いっ切り引っ張られた。
引っ張った本人を見上げると…。灰がいた。
「……てめぇ…そんなにあたしを殺したいか…あ?」
「ちげーよ。ただ…」
気まずそうにしている灰を見てると、鳥肌が立つ。食いついてこない…。
珍しい事もあるもんだな。