刑事の秘めごと~仮面編~
《灰怒side》


「枝真先輩も直帰ですし、送ってあげて下さいよー」

「あ?なんで俺が…」

「だって灰怒先輩、枝真先輩に手出したんですよね?その償いだと思って!

「ミノ…お前…後で覚えてろよ…」

「灰怒先輩、僕記憶力無いので忘れちゃうと思いますよ?なので、無駄に体力使うのはどうかと思います」
「………………はぁ…」


ミノだけは苦手だ。あいつ、痛いとこ突いてくんだよな…。


あの時、酔った勢いとはいえ…。俺はなんて事をしでかしてんだ!!


あの時の枝は…何かこう…いつもと違くて…。


理性がぶっ飛んだ。あのまま誰も来なかったら…。


確実に襲ってたな…俺。


「分かったよ…送ればいいんだな…」

「そうですよ!あ、枝真先輩襲ったら許しませんよ?明日は来ないと思って下さい!それでは失礼しま〜す」


―ピッ

「………こえぇぇぇっ!!」
あいつ恐すぎだろ!!電話ごしでも黒いオーラが…。


灰怒はこの時、決してミノに逆らってはいけないと思い知ったのだった。




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