刑事の秘めごと~仮面編~


―グウゥ〜…

「…灰……」

「あ?」

「…とりあえず飯……」


腹減って死にそう。家に返る前に飢え死にしちまう!!


「…あ!?そこまで面倒みれねぇよ!!」

「………うぅっ…お腹減った…」

「なっ…おまっ……。その上目遣い止めろ!!」


あ?灰の顔が赤くなった…。りんごみてぇ…。


あぁ…腹が減りすぎて…。立ってらんねー…。


「うぉおおいっ!?ななな何だよ!!」


とりあえず前にいた灰にしがみついた。そんなあたしを、灰が慌てて抱きとめた。


「仕方ねぇ…だろー…。腹減って力が出な…」

「お前はアン○ンマンか!?」

「ナイスツッコミ…」

「…ったく…」


灰はあたしの手を引いて歩き出した。


「…灰……?」

「…飯…食うんだろ…?」


コクリと頷くと、灰は優しく笑ってくれた。


灰の奴…。こんなに優しく笑うんだな…。




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