刑事の秘めごと~仮面編~
《枝真side》


「…食った食った〜」


腹いっぱいだ。満足、満足!そのせいで眠くなってきた。


灰が運転する車の心地好い揺れと、満腹感が眠りを誘ってくる。


「…くあぁぁっ〜」


欠伸をしてから頭を窓に預けた。


…あー…。眠気が…。眠気が襲ってくる…。


自然と瞼を閉じた。


毎日毎日…。過ぎていく時間。この間にも、菜野香を殺した犯人はのうのうと生きてる…。


「…見つけ…なくちゃ…」

「…枝…?」

「……菜野香…待ってろ…」



菜野香…絶対に見つけるから…。待っててくれ…。


襲いかかる眠気に負けて、眠りの底へと落ちていった。



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