刑事の秘めごと~仮面編~
《灰努side》


「…寝た…のか?」


助手席でスヤスヤと気持ち良さそうに眠る枝に、上着をかけた。


さっき…見つけなくちゃとか言ってたな。それに…。


「なのか?って誰だ?」


それを口にしていた枝は、辛そうとも、悲しそうともどっちともとれる声だった。


「…お前が隠してる事と、何か関係あるのか…?」


知りたい…。こいつが隠しているモノ全て。理由はわからねぇけど…。


こいつを知りたい…独占したいと思ってる自分がいる。


「何で…俺、こいつの事ばっかり考えてんだよ…」


枝の家の前で車を止めたまま、しばらく思考に耽っていると、枝が身じろいだ。



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