刑事の秘めごと~仮面編~


「…んっ…くかー…」

「…くくっ…マヌケ顔だな」



寝ている灰の頬をツンツンと刺してみる。


「んっ…んー……」


少しうざったそうに眉間にシワを寄せた。


無防備だな…。いつもこんなんだったら…。俺だって…。


俺だって……何だ?今俺何考えてた!?


「いや、俺は何も考えてねぇ!!」


いやいやいや!!考えてねぇぞ!!いつもこんな風に無防備で大人しかったら…惚れてたなんて…。


「って俺は何を!!!?」

「…うるせー……。何一人でブツブツ言ってんだよ!!ご近所迷惑だろーが!!」

「…あ!?ご近所なんていねぇだろーがよ!!」

「物の例えに決まってんだろ!!」

「分かりずれぇよ!!」



…前言撤回……。


こいつに惚れるなんて一生ありえねぇ!!!

つか認めねぇ!!!





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