刑事の秘めごと~仮面編~


「今日から3年A組に転入する事になった、石井 紗夜です。よろしくお願いします」


自己紹介をして頭を下げると、拍手をされた。


「可愛いくね?」

「スタイル良いな!!」

「どこの令嬢かしら」

「容姿端麗ですわね」


金持ちの坊ちゃんやお嬢様達が口々に何かを呟いている。


何だ?金持ち学校だって聞いたからもっと関わりずらい奴等かと思ったが…。


以外に普通だったな。


「石井さんはあそこの席ですよ」

「ありがとうございます」


担任の先生に頭を下げてから言われた通りの席に腰を下ろすと、隣の席の奴が会釈してきた。


「…僕、藤井 卓鵡(フジイ タクム)です。よろしくお願いします」

「あ…あぁ…よろしくお願いします」


随分と引っ込み思案なんだな。ビクビクしやがって…。
しかも、眼鏡のせいで尚更真面目君に見えるし地味だ。


男なのにだらしねぇ…。女かよ。


ま、いいか……。多分関わる事も無いしな…。




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