刑事の秘めごと~仮面編~


それから、普通に授業に入ったのは良いんだが…。


「教科書ねぇよ…」


転入初日でまだ貰ってないんだった。


「あの………」


どうすっかな…。この学校の人間頭固そうだしよ…。

「あの…………」


第一、刑事のあたしが何で授業まで受ける必要があんだよ!!


高校過程はとっくに終了してるっつうの!!


「石井さん!!」

「うお!?」


慌てて呼ばれた方に顔を向けると、恥ずかしそうに頬を赤く染めた藤井がおずおずと教科書を見せてくれた。


「良かったら…一緒にって…思ったんです…けど…」


後の方は声が小さくて聞こえなかったが、どうやら教科書を見せてくれるようだ。


モジモジ君、やっぱりいい奴だな♪


「ありがとよ!」

「……………えっ……」


ついいつもの口調でお礼を言ってしまった。




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