刑事の秘めごと~仮面編~
「なんか収穫あったか?」
灰から目線を反らして弁当を開いていると、灰はため息をついた。
「いーや何も。つか、そんな状況じゃ無かったんだよ。保健室にお嬢様達が押しかけてきてな、それはもう地獄のようだった…」
げんなりとして言う灰を少し同情した。あたしも同じ目に合ってるからな。
「そら、ご愁傷様。ま、お前のその無駄に整った顔が大半の原因だと思うがな」
そのハーレム生活から逃げ出したきゃ、まず顔を変えろ。
「生れつきなんだから仕方ねぇだろ!!つか、無駄にって何だよ無駄にって」
「そのまんまの意味だろーが!!って…話しズレてんだよ!!お前と話してると、話が脱線すんだよ!!このおんボロ列車が!!」
おかげで弁当にも手を付けられねぇじゃねーか!!
「それはこっちの台詞だ!!」
「あ!?何でそうなんだよ!!」
それからまともな情報交換も出来ず、昼休みが終わってしまった。