刑事の秘めごと~仮面編~
「はぁ…ついてねぇよ…」
今年の運勢絶対悪いだろ。ほらあれだ、厄年!
なんたってあたしが仮りとはいえ、灰の家に住まなきゃいけねーんだよ。
何でも、また仮面の君とやらが襲ってきたら危ないからだそうだ。
「俺だってな、プライベートまでお前と一緒に過ごすなんて考えただけで鳥肌立つんだよ!!」
「あ!?なら帰れ!!一人で平気だって言ってんだろ!?リーダーには適当にごまかすからよ」
そのまま自分の家に帰ろうとするあたしの腕を、灰が無言で掴んだ。そのまま後ろに引っ張られる。
「うお!?」
バランスを崩して、後ろに体が倒れていく。
「あ、すまん!!」
灰は後ろからあたしを抱きしめるように支えた。
「あ、すまん…じゃねぇよ!!危ねぇだろーが!!」
ただでさえ頭を切ったばかりでちょっとばかし痛いってのに!!
これ以上頭を切るのはごめんだ。