刑事の秘めごと~仮面編~


「…灰……?お前、本当にどうした?」


今度は心配したように枝は俺の顔をのぞき込んできた。


「あっ…ち、近付くな…。と、とりあえず離れろ」

「あ?何なんだよ…。大丈夫なら服貸せ。さみぃ…」


自分の体を抱きしめて、眉間にシワを寄せている枝を見て、イケナイ感情が芽生える。


やべぇ……。イジメてやりたい…。


いつもの強気な枝じゃなくて、弱ってる枝をイジメて……。


「って俺は何を!!?」

「お前…頭イッたか…?」


怪訝そうに見ている枝に、服を押し付けた。


「お、あんなら早くわたせよな…くちゅんっ…」


く、くしゃみ可愛いすぎだろ!!!ギャ、ギャップが!!


「あー…冷えたー……」


そう言って風呂場に戻っていく枝を見送りながら、深いため息をついた。


「…これ……生殺しだろ…」


この先どうすんだよ!!!
俺の理性…ちゃんともつのか!?




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